• 2018.10.10

廃棄瓦を有効利用した研究開発【緑化コンクリート】

金沢工業大学は小松製瓦株式会社(石川県小松市)と株式会社エコシステム(石川県能美市)と共同で、廃棄瓦を有効利用した緑化コンクリートの研究開発を開始しました。

小松製瓦株式会社は北陸を中心に年間約1,000万枚の瓦製品を製造・出荷していますが,製造・出荷時における割れ、欠け、損傷等により正規の製品として出荷できない瓦(不適合瓦)が年間約2000t発生しています。また同社や同業他社の瓦を屋根材として使用し、その役目を終えた瓦(廃瓦)も石川県加賀地方においては推定10,000t/年ほど排出されていると考えられています。従来こうした廃棄瓦は瓦チップとしてガーデニング材等に再利用されていますが、埋め立て処分されるものも多く、最終処分場の逼迫の原因の一つとなっていました。

そこで多孔質な物質であり「吸水」「保水」「保温」といった瓦の機能を有し、骨材として利用することで植生可能な緑化コンクリートを実現できます。金沢工業大学と県内2社は2019年度中に実用化を目指す方針です。

これにより廃棄瓦の有効利用につながるとともに、緑化コンクリートは環境低負荷型建築材料として都心部におけるヒートアイランド現象を抑えます。また緑化事業や緑化舗装などの建設分野で利用用途が期待できます。