• 2018.11.08

安藤ハザマと極東産業【放射化抑制の塗料材開発】

安藤ハザマ(株式会社 安藤・間/東京都港区)と極東産業(極東産業  株式会社/東京都千代田区)は共同で、低エネルギー中性子による放射化を抑制する塗料材を開発しました。

従来は、ポリエチレンとホウ酸を組み合わせた板状の樹脂材料や、研磨剤などに用いられている炭化ホウ素を混入した板状の樹脂材料などを利用して、平面の壁に対する放射化抑制対策が実施されていました。

今回の開発品は人への影響や放射性廃棄物の増加の主因となる低エネルギー中性子による放射化の抑制を目的とした最大約30mmの厚塗りが可能な塗料材になります。

この塗料材はコンクリートや金属、ポリエチレン等の樹脂への塗布が可能で、平面だけでなく曲面などの複雑形状部にも直接塗布することができます。これにより、従来の板状の材料では必要であった下地材が不要となり、またコンクリート壁等の平面だけでなく、中性子の発生源となる複雑な形状を持つ装置類にも塗布することが可能になります。

安藤ハザマは、中性子を発生する加速器を用いたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)施設やPET(ポジトロン断層法)施設、粒子線治療(粒子線治療)施設等の医療施設に多く携っています。また、極東産業は、放射線に強い素材や遮へいするための材料開発に取り組んでいる企業です。

がん患者の増加に伴い、今後、同様の施設の建設はさらに増加することが予想され、中性子を利用する高分子材料の構造解析や燃料電池等の分析・研究施設への適用も今後期待されます。

ニュース掲載記事:WEB塗料報知