ALC外壁塗装の耐用年数はどれくらい?~ALC外壁を60年持たせるポイント~
外壁塗装の耐用年数とは?
耐用年数とは「使える予定の年数」のことを指し、限りがあることを示しています。そして、外壁塗装の耐用年数は大きく2つに分けられます。
①塗料の耐用年数
こちらは各塗料メーカーが自分たちで作った塗料の、塗装後から何年間耐久性を保っていられるかを示したものです。
②建物の耐用年数 こちらは国税庁が発表している建築材ごとの建物の寿命を発表しているものになります。 |
このように外壁塗装の耐用年数は塗料や外壁の種類によって異なります。ほとんどの場合は10〜20年、短くて3〜4年の周期でメンテナンスを行う必要があります。
ではALC外壁の場合、どのくらいの周期でメンテナンスを行ったほうがいいのか、また目安となる症状はどんなものか、塗料や建物の耐用年数を含め解説していきます。
ALC外壁の特徴と塗装の役割
ALC外壁とは「Autociaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字をとって名付けられたもので、ALCの主成分は、珪石・セメント・生石灰・石膏・アルミニウム粉末などです。通常のコンクリートの約1/4という軽量さが最大の特色で、無数の気泡があることから「軽量気泡コンクリート」とも言われています。
その無数の気泡は、そのままだと雨を吸い込んでしまうので塗装によって埋められています。なので出来上がった建物を見ても気泡を見ることはできません。よってALC外壁における塗装はとても重要な役割を果たしているのです。
塗料の耐用年数
塗料の種類 | 耐用年数 | 説明 |
アクリル系塗料 | 4~7年 | ・耐久度はあまり良くないですがコストパフォーマンスが高い
・他塗料と比較すると、汚れやすく耐久性に劣る ・最近ではほとんど使用されていない |
ウレタン系塗料 | 6~10年 | ・耐久度は安定している
・コストパフォーマンスが高い ・汚れや色褪せに強く耐久性や施工性などバランスがよい ・最近はシリコン人気が強いため、使われる頻度は低い |
シリコン系塗料 | 8~15年 | ・耐久度に信頼のある塗料
・住宅の屋根、外壁の塗り替えでもっとも多く使用されている ・汚れや色落ちに強い ・防カビ性・防藻性など高い性能あり |
ラジカル系塗料 | 8~15年 | ・耐久度に信頼のある塗料
・2012年に発売された新しい塗料 ・シリコン同様、コストも低い |
光触媒塗料 | 10~15年 | ・耐久度に信頼のある塗料
・雨や太陽の光など、自然の力で綺麗にしてくれる効果がある ・外壁のメンテナンスがとても優れている ・外壁塗装工事のコストがかかる |
ピュアアクリル塗料 | 12~15年 | ・耐久度はトップクラス
・防水性に優れている ・値段が高い為、塗装面積が多いとコストもかかる |
フッ素系塗料 | 15~20年 | ・耐久度はトップクラス
・耐用年数はもっとも優れているがコストが高い ・主に商業施設や大きなビルなどで使用されている ・光沢感と防汚性も高い ・近年は住宅の外壁用としても使われている |
遮熱系塗料 | 15~20年 | ・耐久度はトップクラス
・熱を反射してくれる効果があり、室内を快適に保ってくれる ・省エネやエコなど環境問題にも配慮 ・自治体によっては補助が受けられる場合がある |
無機系塗料 | 15~20年 | ・耐久度はトップクラス
・耐候性も強く劣化しにくいのが特徴 |
耐用年数だけで見ると、フッ素系塗料・遮熱系塗料 > ピュアアクリル塗料 > 光触媒塗料 > シリコン系塗料・ラジカル系塗料 > ウレタン系塗料 > アクリル系塗料というランキングになります。
耐用年数表にも書いていますが、昔の外壁塗装はアクリル系塗料が主流でしたが、現在はシリコン系塗料が主流で、昔と違い10年くらいの耐用年数は保てるようになっています。
こちらの耐用年数表は、塗料や特徴の比較で頻繁に使われるものなので、覚えておくと便利です。
建物の耐用年数
国税庁から建築材での耐用年数(寿命)が発表されています。
建物名 | 建物の耐用年数 |
木造(サイディング張) | 22年 |
木骨モルタル造 | 20年 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
軽量鉄骨造 | 27年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 47年 |
上記は目安となるので耐用年数が過ぎたからといって住めないわけでは無いのでご安心ください。
ただこの耐用年数は、経年劣化はもちろん考慮に入れますが、きちんと外壁塗装で塗料の耐用年数を加えて、良い状態に保ってこその年数になります。
この良い状態を保てるようにメンテナンスをしていかなければ、国税庁が発表している耐用年数にはならないので注意が必要です。
ALC外壁の耐用年数とメンテナンス周期
ALC外壁の耐用年数目安は60年・メンテナンス周期はだいたい10~15年と言われています。
しかし10~15年の周期はあくまでも目安となるので、住宅の立地条件などによってはそれまでにメンテナンスが必要になる場合があります。
また、ALC外壁材はパネルとパネルをつなぎ合わせている箇所が多いため、コーキングのメンテナンスも非常に重要になります。そしてこのコーキングは外壁塗装よりも早く劣化します。コーキングの耐用年数は5~7年の為、メンテナンスは7年~10年と言われています。
ALC外壁の耐用年数は周期的にメンテナンスを行うことで、本来の外壁材を保つことができるのでそこを忘れないようにしましょう。
ALC外壁のメンテナンス時期を判断する方法
ALC外壁のメンテナンス時期を判断するのには、6つのポイントがあります。以下のような劣化症状が起きたらメンテナンスを検討してください。
①シーリングの劣化 |
目地(パネルとパネルのつなぎめ)に入っているシーリングという樹脂が紫外線により劣化している状態です。 |
②変色・退色 |
紫外線によって色あせが起きた状態です。チョーキングと同時期に起こります。 |
③チョーキング |
塗膜が紫外線のダメージで劣化し、成分に含まれている顔料が表面に粉となって出てきた状態です。 |
④クラック |
コンクリートの表面にひび割れが起きた状態です。 |
⑤爆裂 |
コンクリート内部に雨水などが侵入し、内部の鉄筋が錆びて内側からコンクリートを押した結果、コンクリートが欠けてしまった状態です。 |
⑥カビやコケ |
コンクリートが劣化して水分を溜め込むようになり、カビやコケが繁殖しやすくなった状態です。 |
まとめ
ALC外壁は塗装によって外壁としての防水性を保つことができます。しかしその塗装が劣化すると水が浸入し、中の鉄筋が錆びて、膨張し、外壁がボロボロになる負のサイクルに陥ります。したがって、塗装の劣化サインが出始めたらすぐに塗装した方が良いと考えられます。定期的に塗装を行うことで経年による劣化を最小限にとどめ、ALC外壁のメリットを充分に活かす事ができます。定期的なメンテナンスを行い、ALC外壁の耐用年数60年をもたせる家にしましょう。
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