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ALCの防水基礎知識
ALCの防水
ALC(軽量気泡コンクリート)という建材は、特殊なコンクリートの一種です。通常のコンクリートの約1/4の軽量さが売りで、工場生産により品質が安定しています。軽量なので施工性が良く、多くの建物で使われている建材です。
軽量で断熱性が高く、耐火性にも優れているなどメリットの多いALCですが、水に弱いという弱点があります。なぜ弱いのか?どうすれば防げるのか?など分かりやすく説明します。
【ALC建材の弱点】
まずALC建材は、軽量で多孔性があり、無機質という特徴があります。多孔質(細かい穴が無数にある)なので、極めて吸水しやすいということです。もちろん、無数の細かい穴は塗膜に覆われているため、健全であれば吸水することはありません。しかし劣化が進むと塗膜が剥がれ無数の穴が出現します。そこから雨水が染み込み建物に悪影響を及ぼすのです。
また板状に成型されたパネルなので、建物全体に継ぎ目が多くあります。継ぎ目が朽化するとその防水性が低下し雨漏りの原因となるのです。
■雨水から防ぐ方法
①仕上げ材の種類にもよりますが、ALC外壁に適した防水性能の高い塗料を使用する
②耐久性・防水性の良いシーリング材を使用する
①透湿性の高い塗料
ALCは雨水が染み込みやすいので、普段点検をしていても目の届かない部分から浸水がはじまっているケースもあります。染み込んだ雨水が温められ、水蒸気になり膨張すると、塗膜が膨れたり、剥がれたりすることもあります。このような事態を避けるため、塗料は透湿性が高いものを選んだほうが良いです。透湿性が高い塗料なら水蒸気を通過させるため、塗膜に与える影響は最低限になります。また塗装する際は、表面の気泡を塗装で埋めながら塗り替えていくということを意識しなくてはなりません。色はしっかり付いているのに、気泡は埋まっていないと雨水が侵入する危険性があるので注意です。
②耐久性・防水性の良いシーリング材
ALCパネルはとにかく継ぎ目の多い建材の為、目地に充填されているシーリング材は重要になります。そしてそのシーリング材は外壁塗装よりも早く傷むので気をつけなければいけないポイントです。またサイディングで施工した住宅の場合、外壁の内側には透湿シート(水は通さないが、湿気(水蒸気)は通す性質をもつシート。主に木造建築物の外壁の屋外側に用いられる。)が張られます。多少の漏水があっても、雨水がすぐに浸透するわけではありませんが、ALCの場合は違います。基本的に透湿シートは施工しないため(多孔(たこう)構造であることから、ALCは湿度を調整する機能がある。)シーリングの劣化は雨漏りに直結すると考えていいでしょう。よってシーリングの劣化が起こるのはサイディングも同じですが、ALC外壁にとってシーリングは最重要と言えるメンテナンスポイントになります。サイディングよりも念入りな注意が必要です。新築から5~6年経過したら、まず目視で点検を行ってください。
まとめ
ALC建材は多孔質という弱点はあるもののメリットも多く外壁材としてはとても優秀です。弱点を知り、定期的に外壁塗装とシーリング打ち替えによるメンテナンスを行えば、50年程度は外壁張替えなどの大規模修繕が不要になります。
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